香港週末菜園日記

香港新界にて約10年畑を借りてます。ライフワーク化しつつある週末菜園の記録です

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food for thought 1: 「食品偽装の歴史」

せっかくですので、時々は書評もやってみます。

今回は、
「食品偽装の歴史」 ビー・ウィルソン 著、高儀進 訳 2009年 白水社
DSCN3113.jpg


以前、ずっと食品工業関係の仕事をしてこられた人に、
「食品の歴史は偽装の歴史」
という言葉を教えてもらいました。
その時にはおぼろげだった、この言葉の重みと厚みが、
この本を読んだら少しわかったような気がします。

それは著者の言葉を借りると「「食の安全」は混ぜ物工作の道徳面を無視することがある。
毒については厳しいが、騙すという行為には甘いのだ」(p403)というもの。

1820年以降から現代まで、アメリカやイギリスを中心に、ハム、ピクルスに始まって
マーガリン、マスタード、、、最近話題のトランス脂肪酸などの話も出てきます。
ある特定の食品が、過去のある時点で抱えていた、何らかの問題について、いろいろ
ケーススタディが出てきます。

興味深いと思ったのは、著者が混ぜ物工作(食品偽装)に何を含めるか、ということで、
大量生産の食品のみならず、有機や自然食品などの「食品の純正」という問題も扱っていて、
その上で著者が、「「純正食品」のマイナス面は、究極的には、そんなものは存在しないということである」
(p404)、
ということを、純正食品の支持の側にありながらも、書いていることです。

わたしには、これはグラウンド・レベルで理解できる部分がありました。
家庭菜園をやっていて、野菜に液肥をまいたりすれば、たちどころに
ハエが寄ってきて、すりすりと脚をすっているのを見ているので、
そうなんだよね。確かに、たとえば無農薬と清潔というのは、
別の観念だよね、と思うのです。が、こうしたことを見たことがない、耳慣れない
人がこれを読んだら、若干ショッキングな例が出てくるかもしれません。

もうひとつ、歴史の本としてこれを読んだ場合に、わたしが読み取ったのは、
食べ物に限らず、ある何かが社会に出てきて、それが十分に普及すると、その代替物が出てくる。
そうこうしているうちに、時代の流れが変わる、という歴史の振り子の運動のような
ものでした。

ひとつの例は、「殺虫剤の使用ー今ではそれ自体を混ぜ物工作と見る者もいるーは、一つには
混ぜ物工作に対抗するものとして広まったのである。かつては殺虫剤は、完全に清潔な食べ物を
作るという夢を提供したのだ」(p382)

でも、繰り返しになるけれど、
「食品産業で働いている者なら誰しも知っているが、どんな食品も完全に清潔ではあり得ない」
(p383)

少し気になったことは、本の最後に、食品偽装に対してどうしたらいいかで、
「自分の感覚を信じるのだ」(p407)が要点になっているところ。
確かに、専門家頼みをしすぎることに対し、自分の感覚を信じることは
大事なのだけど、果たして、それだけでいいのかな、という印象を持った。
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